3台のパソコン、つづき。

ぱたぱたと飛んでくるMacBookAirと、追いかけてくる締切の間に挟まれて、もうどうしようもないと思ったそのときです。ゴーッという響きとともに締切は頭上を通過してMacBookAirに向かってゆきました。

軽やかな身のこなしのMacBookAirと締切は空中でぶつかりあっては離れ、またぶつかりあっています。いま、この隙をついて走れば、もう出口はすぐそこです。1台だけ残ったパソコンをしっかり抱えて走ります。

ガキーン。

後一歩というあたりで決着がついたような音が響きましたが、振り返っている余裕はありません。走らなくては。後ろからは轟々という音が迫っています。どうやらMacBookAirは締切に倒されてしまったようです。きっと軽すぎたのです。

走らなくては。出口はもうすぐです。

轟々と締切も速度を上げてきます。

あとすこし、あとすこし。もう走れない、もうだめだ。

そう思った時、目の前に青いそらと緑の草原が広がっています。締切の音も聞こえません。

ああ、助かった。ほっとして座り込み、空を見上げると、空の高いところを2つの締切がくるくると飛んでいるのが見えました。

締切から逃れられたと思ったら、別の締切が加わっただけでした。とりあえず次の出口をめざして歩きはじめます。

一本道のその先に小さな黒い影が、と続けてみたいが、そろそろ飽きた。