「ハイツ神田川」はいかにして繁栄し、衰退し、そして甦ったか。その2

2015年現在においても「四畳半」という響きにはどこか郷愁が漂います。もちろん郷愁を覚えるのは四畳半に憧れた世代です。1970年代の「四畳半」は大学生を含む単身生活者の憧れの間取りでした。「四畳半」を夢見つつ不本意な「三畳」やときには「二畳」、または寮の相部屋に暮らしていたのが1970年代の若者でした。

 

具体的に三畳と四畳半がどのぐらい違うのかというと、このぐらい違います。

 

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これが三畳一間の例。以前に復元した「ハイツ神田川」です。

 

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これが押入などはそのままのスペックで間取りを変更した四畳半一間。「ハイツ神田川・改」です。

 

「ハイツ神田川・改」は現在のところおおむね築40年ほどですから、まだまだ数多く現存しているはずです。とはいえ、このままの状態では学生さんにアピールしなくなったのがバブルを迎える1980年代です。1980年代後半にもなると、いわゆる「ワンルーム」と呼ばれたバス・トイレ付の物件が単身者向けに普及してゆきます。

 

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「ワンルーム」というか「1K」はこんな間取りです。畳の概形も描いてはいますが、実際はフローリングのものが多いでしょう。

 

「ハイツ神田川・改」は生き残りを懸けて、改装されました。

 

つづく

「幻のハイツ神田川」は月曜日の朝の更新スケジュールです。