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規制が規制になった背景と無駄かどうかということ

うろおぼえなので軽いお話として。

 

「小学校の校舎を建替える際に規制のせいで無駄な出費を強いられているのはいかがなものか」という規正緩和の先兵のような意見を目にした。具体的にどこの誰が主張していたのかは忘れてしまったが、どうしてこんな規制が成立したのか、この規制があることでどんな利点があったのか、そういう背景がすっぽり抜けて、この規制のために校舎の建設費がかさむから規制は緩和すべきだという主張だけが残る。

 

気がつきにくいかもしれないが、この規制のおかげで、その無駄な経費のおかげで、いつかあなたは命拾いするかもしれない。

 

どうしてかといえば、指摘されていた規制は階段の高さと踊り場の設置に関する基準だったからなのだ。階高が3m以上の場合は階段に踊り場を設けなくてはならない、そして学校の校舎は階高を3m以上としなくてはならない。踊り場を設けると無駄に経費がかかる、とその「規制緩和意見」は主張していた。

 

しかし、何で踊り場をナンとしてでも設けようとしたか。そこを考えてみて欲しい。

 

横断歩道を注意して観察してみたことはあるだろうか。よく見れば必ず踊り場が設けられていることに気付くだろう。もし、この踊り場がなく、歩道橋の高さから転がり落ちたらどうなるのか。この規制がなかったら、経費削減のためにたぶんひとつづきの階段になるのだ。階段の上で足を踏み外したら最後、一番下まで転がり落ちるだろう。

規制が緩和されて、経費が削減されて、合理的だと言うのだろうが、こういう合理的で経済的な発想をなんとかして「規制」するために、知恵を絞って規制が作られたのだろうと想像する。

 

その規制緩和意見がどうして校舎の設置基準を批判のターゲットに選んだのかわからないが、そこになぜ踊り場があるのか、階段を昇り降りする際には気をつけて考えてみて欲しいと思った。