我買う故に我ありとヨドバシの中心で買い物を叫ぶ

マウスが壊れた。高かったのに。しかたがないので古いマウスを探しててきとうにつないでいたらUSBハブから焦げた臭いがして触るとアツアツな事故寸前。これはもう買い物しかない。

 

それでは、何を買わなくてはいけないか整理してみましょう。

 

先ずマウス。壊れたのと同じ製品はまだ販売はされているらしい。後継機種は材質と機能が気に入らないのでパス。てきとうにつないでいたマウスは表面塗装が加水分解してホコリとゴミを吸着する物体に生まれ変わりつつあるからできれば使用を続けたくない。

次にUSBハブ。USB3.0。PCには影響がないと信じることにしてハブだけ交換。
その次もUSBハブ。焦げているなら壊れているだろう。PC側はUSB3.0でポータブルのハードディスクを使用するためにハブも3.0規格品を使用していたがマウスやキーボードの挙動が時々変になる。そしてenchantMOON、考慮してやる必要があるのかどうかもはやわからんがこれがUSB3.0と相性が悪い。気のせいかもしれないがたかがハブひとつでストレスが減るならハブで解決。なのでUSB2.0のハブも必要。

 

アキバのヨドバシの在庫を調べて、ついでの機会にマウスとUSBハブを買い物に。買い物といえば高揚する躍動感がキモなのに、なにこれちっとも楽しくない。必要なお買い物リストの品代が何ラクーアに相当するか換算すると鬱々とした気持ちだ。なお1ラクーアは約2500円。1ラクーアでスパ・ラクーアで1日ぐったりして温泉に漬かれる。全ての買い物はこの1ラクーアと比較して高いか安いかを判断することになっている。

 

そしてヨドバシの広大な店内にぶら下がる無数のUSBハブの蔓にからめられ、もう何も選べない。2.0なのか、3.0なのか、パッケージ前面にでかでかと表示された製品のなんと愛らしいこと。それに比べて小さな字でパッケージ背面にようやく規格を発見するときの悲しみ。いや、だいたいは値段で判断できるんだがな。判断できるまでそれなりに見比べないと判断できない。店頭でものすごくUSBハブに詳しくなる。

好ましいパッケージがすなはち好ましい製品とは限らないことも、また問題を深くしている。ケーブルは取り外せるタイプなのか、それとも本体に固定なのか。バスパワーがいいのか、セルフパワーにするのか。色は、形は、メーカーは。際限なく決めるポイントがあらわれる。

もうどれでもいい。

さらにUSB2.0と3.0の予算配分であるとか、どういう構成にするかだとか、ハブの蔓棚の前を右から左へ小刻みに不審な移動を繰り返しつつハブについて学習しつつ策を練る。たかがハブを買うだけなのに。

今まで使っていた製品と同じ物を買えばいいじゃない。そう思いますよね。そうですよね。できない。製品寿命が短くてできない。かつて買った同じハブが数年後にまだ店頭にあるなんて、そんな奇跡みたいなことあるわけない。

かくして買い物の度に店頭で新たな学習を繰り返す。今、すっごいハブに詳しくなっている。しかし次の買い替えのときにはこの知識は使えない。

マウス。マウスは今回は割と簡単なはず。悩む余地は少ないはず。なぜならばマウスはハブよりもかなり最近になって購入したから、同じ製品が店頭でまだ販売されて在庫もネットで確認してあるから。ただ。店頭では後継機種や他のマウスも視界に入る。ネットで確認して理解はしているつもりでもやや値上がりしている壊れたマウスと同じ製品よりは、他のマウスもいいんじゃなーい、いいんじゃなーいと前後左右からまた大量にぶら下がったマウスが揺れている。静音マウスもそういえば便利かも。Bluetooth接続なら貴重なUSBがひとつ節約できる。レーザーにするかブルーレッドにするか、また新しい誘惑に導かれるままマウスの学習をはじめてしまう。今、マウスにもすっごい詳しくなっている。

 

PCの操作環境はこうしてたいへん快適に修復された。書き出してみると、買い物そのものより何を買うかの判断のための学習に労力も時間も割いている。買い物とはすなはち買うためのプロセスの消費、そして二度と使うかどうかわからない新しく無駄な知識の学習の機会なのである。

 

ついでにとうとうガンプラも買ってしまったのだがそれはまた別の話。

結論としては、ヨドバシカメラの店頭はすばらしいに尽きる。

 


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