リアルな世界は、ちょっとピンぼけ
品川駅構内のウマロボがCGに見えるとのコメントをいただいた。現場で見ているときは、それほど違和感がなかったが、写真では確かに造りものっぽさがある。
競馬場で撮影した馬の写真と比較してみよう。
ちょうど白っぽい、芦毛のウマ。先導馬なのでポコポコとゆっくり歩いている。シャッタースピードは1/320秒と記録されている。まあ被写体ブレは少ないと考えられる条件。実際の競走馬も筋肉もりもりでちょっと造りものっぽさがあるが、毛並みはくすんで見える。
出走前の鹿毛と青毛(または青鹿毛か)。よりいっそう筋肉もりもりでつやつや感はこれらの毛色のほうがよくわかる。そもそもCGっぽい。動きが速いため、騎手も馬も同じぐらいにブレている。
先導馬からはサービス目線をいただいている。もっといいカメラ持ってきなさいよ、とでも言いたそうだ。すまんな。ウマロボ撮ったときよりは良いカメラだ、許せ。
こちらがウマロボの頭のアップ。それなりによく出来ている。1/24秒のシャッタースピード。人も馬もこのシャッタースピードだと被写体ブレでぶれぶれでおかしくない。ウマロボ上の女性は動いているからブレている。しかし、ウマロボの動きは現場で見ている以上に緩慢なようだ。それほどブレていない。動かなさが造りものっぽいかもしれない。
ウマロボの全体はこんな図。写真では毛並みが奇麗すぎるかもしれない。実際には首をもたげた様子などはそれなりにリアルに見えた。
ウマロボは脚も動かしてはいた。だが、胸と胴はあまり動かないようだ。
「らしく」見えないとはどういうことなのか、また機会があれば検証すべきなのだろうが、差し当たってはこんな理由が考えられる。
・そもそも、競走馬は筋肉もりもりでCGっぽい。
・ウマロボの毛が光を反射しすぎる。
・駅構内と競馬場の光源の違い。
・ウマロボの動きが緩慢で周辺と違う時間軸に在る(からブレていない)。
・駅構内に生きたウマなどいるはずがないという脳内補正。
・ウマロボ撮影時のカメラがダメすぎる。
もっと小刻みに動くと、リアルに感じられるのだろうか。または、もっとがっつり手ブレしていればリアルな写りなのだろうか。「ちょっとピンぼけ」がリアルなのかもしれない。