シチュー三昧

市販のシチューのルウがことのほか充実していることに気付いていらい、寒さが深まるに従ってシチューのストックを続けている。クソ寒い夜もシチューが待っていると思えば寄り道もせず帰宅する気にもなる。ならない日もあるがね。

 

シチューのルウのパッケージには懇切丁寧な作り方が示されている。このまま材料をパッケージのなすがママに揃えて切って煮込んでも、当然のことながらおいしいシチューができあがる。ホットケーキミックスで学んだとおり、パッケージの作り方指南は神である。しかし、何度か鍋をシチューで満たしては、腹に納めて食欲を満たした結果、パッケージのなすがママは面倒になってきた。

 

多少の試行錯誤の末に、ジップロックに入れて冷凍ストックしておくならこれでいいんではないかという構成を見いだした。そんなわけで、己の食欲のために記録する。

さて、現在スーパーの店頭で手軽に入手できるシチューのルウはおおむね5皿か4皿程度で1単位になるようなパッケージで供給されている。ルウの箱には1単位ごとに密封されたルウが2つ、というのが標準のようである。1人前なら、1度に1単位分のシチューを作ると運用がよろしい。

 

1 用意するもの

肉:冷凍保存のために細切れにしていたが、面倒なのでひき肉。特に鶏肉なら「もも肉」のひき肉。ルウ1単位に対して300gが目安。

野菜:タマネギとニンジン。これだけ。ルウ1単位に対してタマネギ1玉、ニンジン1本。サイズは細かいことは気にしない。

牛乳またはスキムミルク:ホワイトシチュー系ではパッケージ神のご託宣に従い、最後に適量を加える。

 

2 調理

あとはパッケージの手順に従って調理する。割愛。

出来上がったら適当に冷まして、ジップロックへ1皿分づつ分けて保存し、冷凍する。

 

さて、シチューに欠かせないとされるアレが無い。お気づきだろうか。ジャガイモを加えていない。パッケージ神も加えるように強くおすすめしてくれる。しかし、煮くずれてしまうことと、枯草菌の影響が考えられるため、冷凍保存する状態では除外しておくことにしている*1どうしてもジャガイモを浮かべたいときは、解凍して温め直す際に加えることにしている。なんなら、冷凍の皮付きポテトフライでも十分だと思う。

気持ち肉多めで作っておくと、解凍の手間を乗り越える気力が生まれる。解凍はジップロックごとレンジに放り込むことはできない。一度、皿に移してからラップをかけてレンジでチン。いや、最近のレンジはチンとか鳴らない。いつの時代のレンジだ。ともかく一手間かかるから面倒。面倒ついでに冷凍ブロッコリーや冷凍カリフラワーなど加えても嵩が増えてよかった。

ルウはホワイトシチュー系が気に入っている。特に、ハウスのシチューオンライスはすばらしい。飯のおかずになるシチュー。材料にジャガイモが想定されていない点もすばらしい。

 

housefoods.jp

じゃあカレー作れよと、誰もが思うだろう。しかし、カレーだけは作ってはならない。自炊の大敵がカレー。なぜならば、カレーはほぼ完成形といえるボンカレーが存在するから。作るよりボンカレー

*1:調理後に冷ましてからジップロック封入冷凍保存。冷ます工程で季節によっては枯草菌がイヤ。

デザインは力、薬師寺三重塔

その2018年となりましたが既に半月以上経過している今日。薬師寺三重塔へ参りましょう。

 

これがデザインの力というものです、と挙げたい薬師寺三重塔。伝統的建造物なんざ伝統にとらわれた画一的な建物じゃないか、現代の多様なデザインの氾濫こそ至高などと寝ぼけたことを言ってはいけない。当時の限られた技術と手法のなかで、最大限に趣向をこらした結果に刮目せよ。

 

じゃあ、どのへんが違うのか。

 

薬師寺西塔

薬師寺西塔。1980年代の再建。再建当時はカラーリングがギラギラしていると批判された。これでも控えめな色調としたらしい。古代の色彩の好みはギラギラ系だと知られてきて、他がもうギランギランな復元案をばしばし提示している現在では、むしろ地味に見える。

 

屋根を数えて、どこが三重塔なの、屋根は六層あるよね、と思うよな。これが、そもそもデザインなの。五重にしないで五重並みの高さをキープしようとしたら間延びする。そこを「裳階(もこし)」で埋めて、バランスよく屋根を配置している。技術的にも出来ることは限られていたはずで、そのなかで美しい形を希求した結果ではなかろうか、と。そのように考えたいところ。

 

薬師寺西塔

薬師寺西塔

裳階はそんなわけで、宙に浮いた裳階なのだ。基壇(地面直上の石積部分)の上が初重の裳階と屋根、その上に初重の屋根。次が二重目の裳階と屋根で、その上に二重目の屋根。次に最上の三重目の裳階と屋根、そして三重目の屋根。各重が裳階の腹巻きを巻いているような状態。よーく見ると、各層の下にカゴ状に裳階がぶら下がっているように見えて違和感があるかもしれない。

そして、我々は全裳階付の塔は薬師寺三重塔しか知らない。これを古代のスタンダードだと思ってみてしまう。だが、建設年代が比較的近いと考えられている法隆寺五重塔と比較しても、もうぜんぜん違う。

現代なら、例えば電通本社ビルと、森ビル。どちらもガラスのカーテンウォールで似たようなビルだ。似てはいるが、現代の目からはぜんぜん違う意匠の、違うビルだとわかる。しかし、1000年過ぎて、壁面の一部を写した写真をぱっと見て区別がつくだろうか?

区別がつくのは、一部のマニアだけだろう。古代の塔も、たぶん、そんな感じなのだ。

 

再建された西塔の写真ばかり挙げている理由は、以前にも述べたとおり。観に行った時は東塔が解体修理中だったから。

解体修理中の薬師寺東塔覆屋

解体修理中の薬師寺東塔覆屋

薬師寺南門

薬師寺南門

薬師寺南門から眺める境内。左が西塔、右が東塔。東西南北を意識した配置。

覆屋はかなりボリュームがある。最寄り駅の近鉄西ノ京駅から降りてすぐに、遠くに見えてくるほどだ。

西ノ京駅

近鉄西ノ京駅

近鉄西ノ京駅付近と薬師寺東塔覆屋

近鉄西ノ京駅付近と薬師寺東塔覆屋

平成32年に東塔の修理が終了の予定ということなので、また再訪したい。年号は平成じゃないだろうけどな。

 

さて、塔以外の見るべき物ということで、もうひとつ目的があった。

薬師寺東院堂

薬師寺東院堂

これまた、ちゃんとした写真がどうしても見当たらないパターン。当然のように、回廊から至近距離に建っていた。超広角レンズでなんとか全体が撮れる。

薬師寺東院堂

薬師寺東院堂

鎌倉時代の再建建物を江戸時代に向きを変えたとの説明がある。いわゆる「日本の建築」らしい要素が凝集されたような建物の典型例とされるが、伽藍の中ではなんだか微妙な気もする。ここと、ここと、ここ、と細部の価値を説明されないと、この建物の意義はわかりにくい。つらい。

 

薬師寺金堂

薬師寺金堂

こちらは昭和に再建された薬師寺金堂。現在の薬師寺が目指している空間は、なんといっても白鳳時代の伽藍なのだ。よく見ると、塔の意匠に合わせたものか、一層と二層にそれぞれ裳階がある。

 

薬師寺食堂復元看板

薬師寺食堂復元看板

白鳳伽藍は現在も着々と再建が続けられている。食堂(じきどう)の再建を示す看板。

 

 

しばらく五重塔から離れていたが、再建される白鳳伽藍からの連想で、模造というかインスパイア系というか、次回はそういう五重塔を紹介してみたい。

薬師寺への道は続く、来年に。

塔を巡る冒険の続き、薬師寺の回、年内の更新が間に合いませんでした。でも更新はする。

 

薬師寺東塔覆屋

薬師寺東塔覆屋。

解体修理中のため、しばらくこの姿だった東塔。

 

薬師寺西塔

薬師寺西塔。

屋根は六重だが、これで三重。詳しい話は来年更新することにした。

 

薬師寺大講堂

薬師寺大講堂。

開けた空間が古代っぽい。この広い空間が大陸風なのではないかと思う。(追記20180113:金堂ではなくて大講堂。修正した。)

 

そんなこんなで今年、2017年は終わりつつある。

たぶん来年は薬師寺からはじめる。

 

2017年のイチ推しといっても、他にいろいろ観たわけでない。「ブレードランナー2049」はよかった。それで『ティモシーアーチャーの転生』をわざわざ買ったが半分も読み切れていない。これこそ年内に読み切りたい。

で、薬師寺三重塔は、オリジナルの「ブレードランナー」に相当するインパクトを後世の塔デザインに残したはずなのだ。そんな話は、また来年。

ことしもおわりがみえてきた

今週のお題「今年中にやっておきたいこと」

塔を巡る冒険の書、あと1回、薬師寺まで更新してから今年を仕舞いにしたい。

 

本文は書きかけているのです。たぶん更新できる状態なのです。写真を片付けていない。片付ける余裕がない。

 

実際は2015年に出掛けている。2015年に書いていた記事はこちら。

waterway.hatenablog.jp

waterway.hatenablog.jp1記事に1枚しか写真がない。何をやっとんのや。

2年も写真を片付けていないらしい。カメラのカードから、ハードディスクへデータを移動させているだけでも自分を誉めたい。薬師寺の写真片付けと合わせて、そろそろデジカメのデータ保存メディアの整理もしておきたい。

ともかくも、年内に写真を片付けたい。

年内に限らず、ずっと写真を片付けるためにブログ更新するつもりが、90日間更新していないとか、このままではいかんでしょう。

 

あなたなしではいられない

今週のお題「今年買ってよかったもの」

 

予定どおりPS4

すごいぞPS4

もうPS4無しの生活なんて考えられない。

 

ほんとは昨年の12月に買ってるはずだったが、あれやこれやで今年が半分以上過ぎてからようやく買った。そういうわけで、今年買ってよかったものになってしまった。

 

想像していた以上に、これすごいわ。ゲームしなくても、これすごいわ。

ゲームしないで何してるのかといえば、YouTubeを垂れ流している。主にゲーム実況。

ネットもコントローラーだけではちょっと不便だが、そこそこ使える。

これすごいわ。

ネットに接続さえすれば、何も余計なカードだのメモリだのも、必要ない。買ってきてモニタに繋げばすぐ使える。おまけにコントローラーは無線接続で振り回せる。

これすごいわ。

ゲームはさらにすごい。そもそも、据置のゲーム機利用に10年近いブランクがある。廉価版となっているPS3からの移植ゲーム群ですら、観たことも無い世界。休日は風邪を幸いに、布団にくるまって15時間連続でゲーム。コントローラーの充電が切れた。

 

帰ったらゲームしようと思えば寄り道もせず、無駄遣いもせず、ひたすらゲーム、ゲーム、ゲーム。

なのだが、ゲームへの耽溺を遮る問題が。

自分の操作能力が、ゲームに追いつかない。特にアクションパズル系の操作や、時間制限のある操作が無理。

この無能ゆえに、適当にゲームから離れてしまう。かえってバランスが取れてよいのかもしれない。離れたらYouTubeで上手い人のゲーム観て感嘆する。

 

おそらく、もっと楽しい使い方もあるのだろうが、今のところはまだゲームとYouTubeだけで満足している。これでオンラインチャンネルの契約なぞしたらば、危険極まりない。ずーっとPS4の前から動かない自信がある。

 

唯一、どうしても困った点は、音声出力が映像出力と一体化した端子のみで、モニタかテレビ側にスピーカーが無いと音声出力を単体でひっぱることが難しいこと。コントローラーからのヘッドホン端子で出力は得られるのだが、これはコントローラーが有線接続されている場合に限られる。おまけにヘッドホンなどのBluetooth接続もサポートされていないようだ。SONYからたくさん発売されているBluetooth接続のすてきなヘッドホンも使えないらしい。何でだよ。

困ったときのヨドバシカメラへはもちろん参拝済みだが、ホームシアター用の剛毅かつマーベラスな価格のスピーカーシステムへHDMI出力を経由させるほかなさそうなのだ。

何でそんなことで困るかといえば、テレビのスピーカーが壊れているから。先にテレビかモニタをなんとかしろという話でもある。

 

だが、そんなことは些細なことだ。どうせコントローラーの充電は切れる。ならば有線で構わないじゃないか。

それより、ゲームだよ、ゲーム。操作が無能なおかげで、なかなかクリアできないからな。コスパはいいよ。コスパのよさにかけては自信がある。

そして、来年早々にはモンスターハンターが発売される予定だ。

 

もうね、PS4無しの生活なんて考えられない。

ああ、でも、来年はNintendo Switchも欲しいな。

「エンドレス・ポエトリー」を今すぐ観に行くべき3つの理由

1 いつまで公開されているかわからない

いわゆるアート映画なのでいつまで上映されているか危うい。

 

2 「ブレードランナー2049」よりひどい

期待どおりにひどい。おそろしいファミリービデオなのだ。

父と子の和解を本人が講釈する前で、何番目かと何番目かの息子が、父と子の役で和解のシーンを演じるのだ。80代の本人、50代の息子が本人の父役、30代の息子が本人役としてメインで登場する。80代の本人は誰とも和解する気はさらさらない雰囲気である。

期待どおりの、幻想的なイメージもこれでもかと魅せられる。出色は魅惑の執事カフェ、カフェ・イリス。給仕がそろって老年の紳士。注文する前からビールジョッキが待ち構えている。舞台のようなシーン。舞台のような映像。

そして黒子。CGのかわりに黒子。

さらに書割。CGのかわりに書割。役者の等身大パネルもモブとして登場。

ラストは紫色の小舟で波間を漂う。唐十郎の芝居で名物屋台崩しと唐突な終幕を観て以来の衝撃。え、これで終わるのか。続くの?これからパリに行くの?

ホーリーマウンテン」や「サンタサングレ/聖なる血」といった前作の世界への期待にも十分に応えてくれる。まったくわけがわからないよ。

そのうちに主人公がナポレオン・ダイナマイト(「バス男ナポレオン・ダイナマイト)」の主人公)に見えてくる。リア充のはずなのに。まったくわけがわからないよ。

 

3 いいから服を着ろ

Fallout4では行商のおねーさんから装備を買う度に「服は着たままでいいわ」と囁かれるなぞがある。どうやら誤訳らしい。

「服は着たままで」お願いしたいのは、アレハンドロ君である。いいからおまえはもう脱ぐな。脱衣、脱衣、脱衣。感極まる度に、進行に詰まる度に、ともかく脱ぐ。前衛やアートは脱がないとはじまらないらしい。

差し当たり、修正はない。

 

 

 

「詩人になる」とパリへ船出する主人公の姿に、「プロブロガーになる」宣言とともに花火のごとくはてな界を照らして行った君たちのことを少し連想した。詩人はパリへ行く。ではプロブロガーは?目指すべき都市がないことがプロブロガーの不幸なのだ。代わりに詩人が成すべきことを余さず観られる映画がある。ただし、服は着たままで。脱ぐな。

 

映画『エンドレス・ポエトリー』公式サイト

高尚な解説は公式でどうぞ。

ならびたつふたつの塔、現存が知られるただ一対、当麻寺三重塔

「ふたつの塔」と聞くと、サウロンガンダルフを先に連想するものと決まっています。いませんか。そうですか。

當麻寺の表記も併用される、当麻寺。歴史的経緯からは「當麻寺」が適当なのだろうが、駅名などに合わせて「当麻寺」表記で進めることにしよう。行ってみるまで別モノだと思ってたからね。少数派だとは思うけどな。少数派にこそ配慮。

 

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当麻寺東塔

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当麻寺東塔

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当麻寺東塔

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当麻寺西塔

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当麻寺西塔

当麻寺のふたつの塔。古代寺院の伽藍配置(建物の構成)には四天王寺式とか法隆寺式とか、いろいろ分類されているなかで、塔がふたつ並ぶ形式が薬師寺式とされている。薬師寺は西塔が残念なことになったため、1980年代の再建であり、創建当初のふたつの塔は揃っていない。

しかし、当麻寺は創建当初のふたつの塔がそろって現存している。創建当初とはいえ、東塔が奈良時代、西塔が平安時代、ちょこっと時期がずれていると考えられている。やはり一度にふたつの塔を揃えて建てることは、古代の剛毅な経済活動のなかでも困難だったのだろう。

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当麻寺(左側が東塔、右が西塔)

せっかく残ったふたつの塔であるが、東塔と西塔を揃って眺めることができるポイントは限られている。建設当初は東西に塔が並び、南北方向の中心軸に沿って金堂と講堂が配置される伽藍であったようだが、現在はご覧のとおり、東西両塔の間も、塔と金堂の間もみっちりと建物で埋められている。写真では西塔の手前に電柱があるため、わかりづらい。金堂と講堂はちゃんと当初の位置に建物がある。鎌倉時代の再建らしい。

 

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当麻寺西塔

左側の建物が曼荼羅堂と呼ばれる本堂。奥に西塔がみえる。曼荼羅堂は改築を繰り返しており、基壇と亀腹から建物がはみだしている。有名な当麻曼荼羅に関してはWikipediaでも読んでいただくと、たいへん詳しい。

 

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当麻寺西塔

写真集などでも塔だけのよい写真が少ないことが不思議だったが、やはりというか、塔だけを撮影することは難しい状況。相輪まできれいに写すなら、このぐらい離れたところから撮影したい。西塔は痛んで危険と表示されており、あまり近づくことができなかった。

 

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当麻寺東塔

角の部分に斗が5つ乗った長い肘木が使われていることも、特徴のひとつとされる。

 

西塔と東塔の見分け方はとても簡単だ。東塔初重(一層目)は軒下に斗と肘木の組物だけが並んでいる。対して西塔は組物と組物の間に中備と呼ばれる束(間斗束)が配置されている。また、東塔の二重、三重は柱が三本並んでいる。西塔は三重まで柱が四本並んでいる。前掲の写真を見返していただくとわかりやすいだろう。

対となる塔でもデザインを揃えない様子や、境内の正面となる南側に参道ではなく山が位置するなど、由緒正しい伽藍配置を採用していながらなかなかに個性的ともいえる。

 

東塔の北側には中之坊が位置している。当麻寺中之坊。後西天皇行幸の折りに整備された茶室、と説明されている。ふんふん。江戸時代ですね。

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当麻寺中之坊書院と茶室

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当麻寺中之坊茶室「円窓席」

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当麻寺中之坊茶室

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当麻寺中之坊庭園

 茶室に懸かる額には「双塔庵」。奈良時代の塔を借景として江戸時代の庭園に取り込んでしまう力技。このあたりの話は2015年にたずねた当時に記事にしている。

waterway.hatenablog.jp

waterway.hatenablog.jp

他に面白かった建物など。

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当麻寺石灯籠

最古と伝えられる石灯籠。金堂の正面に位置している。覆屋の中に大事にかくまわれている。

 

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当麻寺内建物の蟇股

装飾が激しい蟇股(かえるまた)を撮影しているが、どの建物だったかわからない。石灯籠の近くで撮っている。

 

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当麻寺仁王門

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当麻寺仁王門

東大門とも呼ばれた仁王門。駅からの参道はこの門へ向かっている。天井が張ってあったり、木鼻があったり、奈良時代の建物ではないっぽい。

 

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当麻寺中之坊

中之坊は別に拝観料が必要。受付がある建物は、おそらく元は庫裏(くり・台所)だろう。

 

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当麻寺中之坊受付内カマド

当麻寺といえば陀羅尼助も知られている。現在でも用いられている止瀉薬とのことで、かつては当麻寺で製薬が行われていたというカマド。驚いたことに、陀羅尼助は醍醐寺の売店にも並んでいた。物を知らないから驚いているだけで、陀羅尼助分布からは不思議でもないらしい。

 

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当麻寺中之坊稲荷社

向拝に唐破風、さらに千鳥破風付の入母屋造と、これでもかと趣向を凝らして盛り盛りの稲荷社。装飾へのパッションなのか。

 

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当麻寺薬師堂

現在の境内から離れて薬師堂が位置している。元はこのあたりも境内だったのかもしれない。当麻寺の金堂や講堂と同じく、基壇(きだん・建物の下の基礎部分)が高い。

 

さて、当麻寺といえば中将姫の伝承とか、『死者の書』(折口信夫)であろう。『死者の書』は漫画(近藤ようこ)で読んだ。漫画のなかで当麻寺の遠景が描かれると、奈良時代の建物配置と照らして正しいかどうかが気になりはじめる。金堂と講堂は当時の位置から動いていないとして、現在の曼荼羅堂は規模が異なるはず。そもそも東西両塔が存在していたのだろうか。深く考えるのは止そう。

 

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当麻寺中将姫に関する解説

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当麻寺駅近くの中将堂「よもぎもち」

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中将堂「よもぎ餅」

当麻名物よもぎ餅を宿でいただく前に包みを写していた。1個から販売してもらえる。よもぎの入った餅を小豆餡でくるんだお菓子。餅がふわふわでおいしい。

 

ともかくも、当初の目的は、現存するふたつの塔を観ることだったのだ。

 

五重塔コレクションに三重塔が紛れる不測の事態の端緒が、パワースポットのご利益からか、室生寺から長谷寺へ向かったはずが当麻寺到着という経緯は前回ご紹介した。電車は行き先をよく見て、落ち着いて乗るべし。三重が一対で、屋根の数的には五重より多いから、まあいいや。

pool.hatenablog.jpついでなので、次も三重塔の薬師寺にしよう。薬師寺なら、裳階も足せば屋根が六層かかっている。五重より屋根は十分に多い。大丈夫だろう。